最強のボーカルMIX術【プロのボーカルミックスの手順】
- 2025.04.20
- 2025.03.29
- ミキシングのコツ

今回は、グラミー賞ノミネート経験もあるMarc Daniel Nelsonによる「ポップスに使える素晴らしいボーカルチェイン」をまとめました。
ミキシングエンジニアとしても活躍するMarcが、ポップス向きのボーカルミックスに使える「ボーカルエフェクトの順番とテクニック」を解説します。
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- 1. プロがやっているボーカルミックスの手順
- 2. ボーカルミックスの手順1.ボーカルをざっと聞く
- 3. ボーカルミックスの手順2.EQ
- 4. ボーカルミックスの手順3.コンプレッサー Part1
- 5. ボーカルミックスの手順4.コンプレッサー Part2
- 6. ボーカルミックスの手順5.コンプレッサー Part3
- 7. ボーカルミックスの手順6.ディレイ
- 8. ボーカルミックスの手順7.ディエッサー
- 9. ボーカルミックスの手順8.ディストーション
- 10. ボーカルミックスの手順9.コンプレッサー Part4
- 11. ボーカルミックスの手順10.コンプレッサー Part5
- 12. なぜ複数のコンプレッサーを使うのか?
- 13. Waves社のコンプレッサー「MV2」を使うポイント
- 14. リバーブとディレイを使うコツ
プロがやっているボーカルミックスの手順
はじめに、今回ご紹介するボーカルミックスの手順をまとめてご紹介します。
ノイズや音量など、問題点を把握しておく
2.EQ
不要な音域をカット
3.コンプレッサー Part1
飛び出たところだけ・アタックとリリース速め
4.コンプレッサー Part2
アップワードコンプレッション
5.コンプレッサー Part3
マルチバンドコンプで中音域を整える
6.ディレイ
オートメーションで必要なところに加える
7.ディエッサー
2つのディエッサー、個別トラックとボーカルBusに
8.ディストーション
温かみ、安定性
9.コンプレッサー Part4
まとまりを出す
10.コンプレッサー Part5
出過ぎたところを整える
全部で10個のプラグインを使っていますが、この半数がコンプレッサーです。
いったいなぜこんなにたくさんのコンプレッサーを使っているのでしょうか?
その理由も含めて、1つずつ順番に解説していきます。
ボーカルミックスの手順1.ボーカルをざっと聞く
まずは、現状のボーカルをチェックします。
必要であればノイズや無音部分をカットし、「中音域がうるさいときがある」「この音が聞こえにくい」など、ボーカルにどんな問題があるのかもセットでチェックします。
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ボーカルミックスの手順2.EQ
次は、ボーカルで不要な低域や中低域をEQでカットしていきます。
200~300hz付近を残しすぎると、シンセサイザーやギターなど、他の楽器とぶつかってしまいます。
そのため、ボーカルはその周波数帯域よりも少し上の音域に寄せる感じにします。

それから、1~2khz付近に深刻な問題があるので、そちらにも対処します。
具体的に言うと、子音「S」の音の音域よりも少し下のあたり、且つ中音域よりは少し上の部分です。
これは実際に削ったり足してみたりしないとどれぐらいの酷さなのかがわからないので、まずはやってみましょう。

今回は、FabfilterのPro-Q3で、ダイナミックEQの機能を使います。
これは、指定した帯域の部分が行きすぎた時に削ってくれる機能です。
そしてこれを適用して実際に聞いてみると、中高域あたりで強すぎる部分が適度にならされ、よりスムーズに聞こえます。
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ボーカルミックスの手順3.コンプレッサー Part1
次はコンプです。
最初に使うコンプは、音量が大きく飛び出た瞬間だけコンプがかかるぐらいで、リダクション量も1dB程度にしています。
そして、アタックタイムもリリースタイムも速くします。
なぜ最初に使うコンプのアタックとリリースを速くするかと言うと、音をモヤモヤさせないためです。
ボーカルの場合、一番最初に使うコンプのアタックとリリースが遅いと音がぼやけてしまいやすいです。
そのため、ここではアタックとリリースを速くしたコンプを使います。
ちなみに今回はKlanghelm社の「MJUC」を使っています。

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ボーカルミックスの手順4.コンプレッサー Part2
次もコンプレッサーを使いますが、ここではアップワードコンプレッションをするためのコンプレッサーを使います。
アップワードコンプレッションとは、大きい音を抑えるのではなく、小さい音を持ち上げることで「大きい音と小さい音の差」を縮めるタイプのコンプレッションです。
ボーカルはとても繊細なので、細かい息遣いなどがはっきり聞こえるようになると臨場感が増します。
そのため「音量が小さい情報」をさらに引き出すためにこのような処理を行います。
今回はWaves社「MV2」を使います。

Waves社「MV2」は、「LOW LEVEL」のメーターを上げるとアップワードコンプレッションがかかり、「HIGH LEVEL」のメーターを下げるとダウンワードコンプレッションがかかります。
今回はアップワードコンプレッションがメインなので、一番左側のメーターを上げています。
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ボーカルミックスの手順5.コンプレッサー Part3
次は中音域の音量を整えるために、マルチバンドコンプレッサーを使います。
今回はWaves社「C4」を使っていますが、そこまで強くコンプレッションをかけるような設定にはせず、ほんの少し違いを感じる程度にしています。

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ボーカルミックスの手順6.ディレイ
次はディレイです。
Aメロとサビの間で使いたいので、オートメーションを書いて調整します。
今回使っているのはsoundtoys社「EchoBoy」で、「8分音符」「フィードバック最小」に設定しています。

ボーカルミックスの手順7.ディエッサー
次はディエッサーで、Waves社「DeEsser」とFabfilter社「Pro-DS」の2つを使います。
1つ目のディエッサーはボーカルのBusを通る前(個別トラック)に、もう1つはボーカルのBusに使っています。
どちらも全く違うタイプのディエッサーですが、両方使うことでちょうどよくS系のサウンドを抑えることができます。
1つ目のディエッサー(ボーカルのBusを通る前に使用)

2つ目のディエッサー(ボーカルBusに使用)

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Waves社「DeEsser」は、Waves社のバンドルのうち「Gold」「Platinum」「Diamond」に同梱されています。
前述で登場した「MV2」も同じバンドルに同梱されています
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ボーカルミックスの手順8.ディストーション
次はディストーションを使います。
ディストーションを使って温かみを加え、ボーカルが楽曲のど真ん中でしっかり座らせることができるようにします。
今回使っているのはsoundtoys社「DECAPITATOR」です。

ボーカルミックスの手順9.コンプレッサー Part4
次は、Softube社「Tube-Tech」を使います。
このプラグインはEQとコンプが同時に使えるようになっているのですが、コンプではまとまりを出し、EQでは高音域を少しブーストしています。

どのジャンルの曲でも、これまでご紹介したPro-Q、MV2、MJUC、そしてこのTube-Techは組み合わせて使っています。
これ以外は曲によって異なり、Tube-Techの後にDistressorを使うこともありますし、よりまとまりを出すためにAcustica Audio社「El Rey」を使うこともあります。
ボーカルミックスの手順10.コンプレッサー Part5
最後もコンプです。
使っているのはAcustica Audio社「El Rey」で、音量が大きすぎる時だけ少しメーターが触れる程度にします。

なぜ複数のコンプレッサーを使うのか?

今回はコンプをたくさん使っていますが、どのコンプもそれぞれ違う役割があり、使うと違う音になります。
複数のコンプを1つのチャンネルにまとめて使うタイプのエンジニアもいますが、個人的には今回のように並べて使いたい派です。
このようにした方が、「何の後に何をしている」「何をする前にはどんな音になっているのか」など、それぞれのプラグインの効果を1つずつ確認しやすいからです。
Waves社のコンプレッサー「MV2」を使うポイント
今回は、ボーカルチェインの中間地点あたりでMV2を使っています。

実は、これはとても重要なポイントです。
最初の方にアタックとリリースが遅いコンプをかけると、音がモヤモヤしてしまうからです。
速いコンプを最初にかければ音をモヤモヤさせずに済むので、速いコンプを最初に、遅いコンプを中間で使うのがおすすめです。
試しに、MV2をON/OFFして比較してみましょう。
MV2をONにしているときの方が音量が大きく聞こえますが、MV2の効果は音量だけではありません。
音量自体は一緒ですが、OFFにすると小さい音量の部分が消えてなくなってしまうような音になってしまいます。
つまり、アップワードコンプレッションをして小さい音を持ち上げないと、聞こえずに終わってしまう音があるのです。
リミッターは音量が大きすぎる部分を潰すだけですし、コンプレッサーもやりすぎてしまいがちです。
そこで、音量が小さい部分を上げるMV2を速めのコンプ(アタックとリリース最速)のすぐ後に使うことで、音量を平らにならすことができます。
こうすることで、大きい音は大きすぎず、小さい音は小さすぎず、すべてがちょうどいい音量で聞こえるようになるのです。
※音量が小さい部分はMV2で持ち上げる+最速設定のコンプで音量が大きい部分を抑える=音量が小さい部分も大きすぎる部分も調整でき、適度に音量をならすことができる
リバーブとディレイを使うコツ
リバーブに関しては曲によって違うのでここでは解説しませんが、ディレイとの共通点は「オートメーションをかけるということは重要であることです。
例えばディレイであれば、この曲の場合はこのようにオートメーションを書いています。
8分音符ディレイもあれば16分音符ディレイもあり、それぞれ目立たせたいときにオートメーションで上げています。

以上で解説は終了です。
当サイトでは他にも「ボーカルMIXテクニック」についての解説記事を掲載していますので、ぜひこちらも合わせてご覧ください↓
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