正しいアンプとスピーカーの選び方【インピーダンスとパワーの見方】
- 2025.02.05
- 2025.01.27
- オーディオ
今回は「正しいアンプとスピーカーの選び方」をまとめました。
正しい製品を選び、正しい組み合わせで使わないと、そのスピーカーやアンプが故障してしまったり、本来持っている力を最大限発揮できずに終わってしまいます。
この記事では、「正しいアンプとスピーカーの選び方」と、その理解に必要な「インピーダンスとパワー」について解説します。
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インピーダンス(Impedance)とは?
インピーダンスとは、電流の流れに対する抵抗のことで、単位は「オーム(Ω)」です。
抵抗があると流した電力そのままが流れるのではなく、より少し電力を減らしてしまうことになります。
簡単に言うと、例えばインピーダンスが「8Ω」であれば「僕が電力を受け取ると、8Ωの強さで抵抗しちゃうよ」ということになります。
例えばプールの中に普通の水が入っていれば、ある程度の力があれば泳げるでしょう。
しかしハチミツが入っていたら、どんなに頑張って泳いでもハチミツが重たくてバタ足もできず、全然前に進めないでしょう。
「普通の水が入っているときは25m進めたのに、同じ力でハチミツのプールを泳いだら10mしか進まなかった」ということになります。
電気の時も同じで、抵抗が大きいと「500W流したはずなのに、450Wしか流れない…」ということが起こります。
スピーカーやアンプのスペック欄を見ると、「Nominal Impedance(公称インピーダンス)」という項目があります。
これがスピーカーにおけるインピーダンスです。
パワー(Power)とは?
パワー(Power)とは単位は「ワット(W)」で表される電力の強さのことで、いくつかの種類があります。
ある短い期間の間に、ダメージを受けることなく発揮できる最大限の電力
逆に言えば、一瞬でもこれ以上の数字の電力を流してしてしまうと故障につながる
Peak Powerよりも少し長い期間の間に、ダメージを受けることなく発揮できる最大限の電力
一定時間ずっとこの数字以上の電力があると故障につながる
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インピーダンスとパワーはなぜ重要?
インピーダンスとパワーは、スピーカーやアンプを故障させずに安全に使用するための大切な数値です。
インピーダンスによって供給できる・受け取れる電力が異なりますが、供給する側の電力が受け取る側の許容電力を上回ってしまうと、機材が故障してしまいます。
例えば最大で600Wの電力を受け入れられるスピーカーを使うとき、音量が小さいからと言ってアンプの音量をどんどん上げてしまうと、600Wを超えてしまいスピーカーがオーバーヒートすることがあります。
そのため、機材を選んだり接続するときは「この機材は何Ωのときに最大で電力を供給できる」「この機材は最大で何Wの電力を受け取ることができる」ということを知っておく必要があります。
アンプにステレオスピーカーを接続した時の例
それでは、実際にアンプとステレオスピーカーを使うときはインピーダンスとパワーをどのように気をつければよいのでしょうか?
実例を見てみましょう。
こちらは、ステレオスピーカー「E115」とアンプを接続したときの図です。
E115のスペック表を見ると、Continuous Powerは「500W」、Peak Powerは「2000W」、Nominal Impedanceは「8Ω」となっています。
このスペックを文章で表すと「このスピーカーのインピーダンスは8Ωで、瞬間的には最大2000W、継続的には500Wの電力を受け取ることができる」ということになります。
では、アンプのスペック表を見てみましょう。
今回はQSC社のアンプを使っていますが、ここでは2種類のアンプ「GXD4」と「GXD8」のスペック表をご紹介します。
両者は見た目がとても似ていますが、スペックが少し異なります。
例えば「4Ω」の欄を見てみると、GXD4は600W、GXD8は1200Wとなっています。
これは「4Ωの抵抗があるスピーカーを使うときは、GXD4なら600W供給できる」「4Ωの抵抗があるスピーカーを使うときは、GXD8なら1200W供給できる」ということになります。
先ほどのE115のNominal Impedanceは8Ωでしたので、この場合は「8Ω Power/Channel」の欄を見て判断します。
「8Ω Power /Channel」の欄を見てみると、「8Ωの抵抗があるスピーカーを使うときは、GXD4なら400W供給できる」「8Ωの抵抗があるスピーカーを使うときは、GXD8なら800W供給できる」ということがわかります。
インピーダンスは「抵抗」を表すので、インピーダンスが高いほど電力が通りにくい=スピーカーが4Ωのときに比べて8Ωのときの方が供給できる電力が少なくなっています。
余裕を持って電力を供給できるのが理想
GXDは最大で400W、GXD8は最大で800Wですので、Continuous Powerの最大値が500Wのスピーカー「E115」に対しては、GXD8の方が余裕を持って電力を供給できることになります。
逆にGXD4は最大で400Wですので、最大で500W受け取ることができるスピーカーの力を最大限発揮することは難しいでしょう。
一方でGXD8は最大で800W出力できますので、スピーカーの許容範囲である500Wはある程度余裕を持って出力できます。
GXD4が必死に頑張って400Wを出力している一方で、GXD8は余裕で400Wを出していることになります。
基本的に機械は熱を帯びると電力供給の効率が悪くなったり故障のリスクが高まるなどのデメリットがあるので、機材をあまり頑張らせすぎない、余裕が持てる組み合わせで機材を選ぶことが大切です。
この「余裕が持てる組み合わせ」を選ぶ具体的な方法は、後述の「正しいスピーカーとアンプを選ぶ方法」で解説します。
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スピーカーの音が歪み始めたら要注意
アンプ・スピーカーのそれぞれがスペックの範囲内であったとしても、スピーカーから出る音に歪みがかかるなど、音質が悪くなっている場合は音量を下げるようにしましょう。
また、スピーカーに対して十分なパワーを供給できないアンプを使うときはさらに注意が必要です。
パワーの出ないアンプを使うとスピーカーから出る音が小さくなるので「もっと音量を上げないと足りない!」となってしまい、更に音量を上げようとしてしまいます。
すると許容範囲を超えてしまい、どんどん音が歪んでしまい、最悪の場合はスピーカーがオーバーヒートしてしまいます。
正しいスピーカーとアンプを選ぶ方法
正しいスピーカーとアンプを選ぶには、それぞれのスペックを以下の公式に当てはめてみることをおすすめします。
スピーカーのContinuous Powerの2倍の値のアンプを選ぶ
例えばスピーカーのContinuous Powerが500Wだった場合は、そのスピーカーに対して1000W以上のパワーを供給できるアンプがおすすめです。
前述の「余裕を持って電力を供給できるのが理想」でご紹介した通り、アンプ側は余裕を持ってスピーカーに電力を供給できるのが理想です。
そのためには、スピーカーのContinuous Powerの2倍の数字のパワーを供給できるアンプを選ぶことが1つのわかりやすい基準になります。
このように2倍の余裕を持っておくと、アンプが原因でクリッピング(音割れ)してしまうレベルに到達するまでに+3dBのヘッドルーム(余裕)を持つことができます。
※2倍の余裕があれば+3dB、4倍の余裕があると6dB程度の余裕を持つことができます
スピーカーのContinuous Powerと同等のアンプのパワーにするとどうなる?
スピーカーのContinuous Powerとアンプのパワーが同じだと、ヘッドルーム(余裕)が全くない状態になるので、音量を上げただけですぐクリッピング(音割れ)してしまいます。
リミッターなどオーバードライブ(クリッピング)を防ぐようなシステムがない場合は、とても音量を小さくして使用する必要があります。
アンプが頑張りすぎず力を発揮でき、スピーカーも故障させずに音を出すには、やはり「スピーカーのContinuous Powerの2倍の値のアンプを選ぶ」がおすすめの基準です。
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正しいスピーカーとアンプを選ぶ方法まとめ
以上が「正しいスピーカーとアンプを選ぶ方法」でした。
電気抵抗のこと
同じ電力を流しても、抵抗が大きいと流れる電力が弱まる
ある短い期間の間に、ダメージを受けることなく発揮できる最大限の電力
一瞬でもこれ以上の数字の電力を流してしてしまうと故障につながる
Peak Powerよりも少し長い期間の間に、ダメージを受けることなく発揮できる最大限の電力
一定時間ずっとこの数字以上の電力があると故障につながる
スピーカーのContinuous Powerの2倍の値のアンプを選ぶ
当サイトでは他にもスピーカーやアンプ、レシーバーについてまとめていますので、ぜひこちらもご覧ください↓
A SIMPLE Rule For Choosing An Amplifier | Ohms, Watts, & More
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Speakers, Amps, Impedance & Power
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