作曲全般

【DTM】アマチュアがやっている「8つの作曲・MIXの間違い」Part2

今回は、EDM Tipsが解説する「あなたの曲がアマチュアに聞こえる8つの理由」をまとめました。

今回はPart2として、「4つ目〜5つ目の間違い」をご紹介していきます。

アマチュアがやっている「8つの作曲・MIXの間違い」

プロのサウンドに近づけるためにできること、プロっぽい作曲やミックスをするためのコツを惜しみなく紹介していきます。

例えばこちらの「Before」のサウンドが、今回ご紹介するポイントを使うだけで「After」のサウンドにすることができます。

0:07~0:24

8 Reasons Your Music Sounds Amateur and How To Fix Them

作曲・MIXの間違い4.「複雑さ」と「シンプル」のバランスが悪い

アマチュアがやっている「8つの作曲・MIXの間違い」

プロの楽曲は、「複雑」と「シンプル」を非常にうまくブレンドしています。

これはどちらかというと技術的なスキルに関係しているでしょう。

DTMを学ぶときに陥りやすい落とし穴

多くの人が、作曲やミックスを始めたばかりの初心者のとき、曲がシンプルすぎて面白味がなかったり、細かいニュアンスに気を配れなかったでしょう。

そこから曲作りを学んでいくと、だんだん多くのプラグインやテクニックを利用するようになり、楽曲に複雑性を取り込めるようになっていきます。

すると、今度は逆に学んだことを全て曲に詰め込もうとしてしまい、エフェクトを使いすぎたり非常に複雑な曲にしてしまいがちです。

「今の自分がまさにそうだな」と思った方は、多くの人がこのようなプロセスを経験しますので、決して落ち込まないでください。

複雑さとシンプルの共存

「シンプルすぎる」と「複雑すぎる」を回避し、この2つを上手に共存させるには「1~2個のコアなアイデアを決めておく」がおすすめです。

最初にその曲の根幹となるもの(テーマ、聞かせたい音、絶対に使いたい技術など)を決めておき、あとはそれを達成するためにどうしたらいいかを考え、これまで学んできたことを使いながら達成すればOKです。

そしてこのとき、Part1の「間違い1」でお伝えした「曲中では1つの雰囲気・テーマに沿って曲を作ろう」がポイントとなります。

複雑さとシンプルの共存の例1 - David Guetta「Titanium」

それでは、David Guettaのヒット曲「Titanium」を例に解説します。
※動画の著作権違反を避けるため、原曲とピッチを変更しています

この曲では2種類のコード進行が使われており、黄色のセクション(イントロ〜Aメロ)が1つ目のコード進行、緑色のセクション(Bメロ〜サビ)が2つ目のコード進行が使われている部分です。

https://www.youtube.com/watch?v=_g-MmazYc9o

それでは、実際に聞いてみましょう。

8:18~9:12

8 Reasons Your Music Sounds Amateur and How To Fix Them

曲のはじめは基本的に「ギター」「ボーカル」「キック」のシンプルな構成とフレーズが使われています。

そしてセクションごとにギターがいなくなったり、シンセが入ったりなどの変化がありますが、基本的には4~5程度の要素しかありません。

使われている楽器の数だけ見るととてもシンプルですが、その中でも上手に音をレイヤーして曲に華やかさを出し、音をしっかりまとめています。

複雑さとシンプルの共存の例2 - Ben Burma「Memoriam」

次はBen Burmaの「Memoriam」です。

コード進行だけ見るととてもシンプルで1種類しか使われていません。

https://www.youtube.com/watch?v=_g-MmazYc9o

9:38~9:46

8 Reasons Your Music Sounds Amateur and How To Fix Them

しかし、ここに微妙なニュアンスの変化を加えるレイヤーがたくさん使われています。

ドラム(ビート)を入れたり、ストリングスを入れたり、同じコード進行でも味付けされるような音を入れています。

9:58~10:29

8 Reasons Your Music Sounds Amateur and How To Fix Them

同じコード進行を使うシンプルさはあるものの、適切な量をレイヤーすることでちょうどいい複雑性を加えています。

複雑さとシンプルの共存の例3 - Calvin Harris「My Way」

次も1種類のコードを使った曲です。

ボーカル、ピアノ、ベースの3つの楽器を中心に曲が展開されます。

10:39~10:46

8 Reasons Your Music Sounds Amateur and How To Fix Them

サビを聞いてみましょう。

新しいレイヤーであるStabが入り、新しい展開になりました。

ギターのようなマリンバのような音で、これが入ることにより同じコード進行で新しい展開を出しながら、しっかり音にまとまりを出しています。

10:54~11:03

8 Reasons Your Music Sounds Amateur and How To Fix Them

複雑に聞こえる曲も、実はシンプル

Skrillexの「Bangarang」など、一見複雑そうに聞こえる楽曲でも、実は1~2個のコアなアイデア(要素)があり、それを軸に曲が作られています。

そのため、ただ複雑でごちゃごちゃに聞こえるのではなく、「複雑に聞こえるけど耳に残る曲」にすることができています。

SKRILLEX - Bangarang feat. Sirah [Official Music Video]

作曲・MIXの間違い5.エネルギーマップを作っていない

先ほどは「ミクロの視点」の例をご紹介しましたが、こちらは「マクロの視点」に関する内容です。

これは言い換えると、「曲のエネルギーマップを作ろう」ということになります。

「エネルギーマップ」はその曲の構成を決める上でとても重要で、ジェットコースターのように「曲中で一番盛り上がるところをどこにするか」「この部分を盛り上げるために、他の部分のエネルギーはどのようにビルドアップさせていくか」などをメモするものです。

これを作るときは、参考曲をマネしても構いません。

エネルギーマップの作り方

例えば先ほどご紹介したDavid Guettaの「Titanium」を参考に、エネルギーマップを作ってみましょう。

参考曲をDAWにインポートし、次に空のトラックを1つ用意します。

この空のトラックにはGainプラグインだけを追加し、このGainプラグインを使ってオートメーションを書きます。

次に、必要であれば参考曲のオーディオファイルをカットし、それぞれ色付けするなどしてどこがどのセクションなのかをメモしておくのもよいでしょう。

https://www.youtube.com/watch?v=_g-MmazYc9o

おそらく、サビ(ドロップ)が曲の中で一番盛り上がるセクションになるでしょう。

その中でも特に、一番最後のサビ(ドロップ)が盛り上がることが多いと思います。

それでは実際に聞きながら、エネルギーマップを描いていきます。

13:10~13:55

8 Reasons Your Music Sounds Amateur and How To Fix Them

例えば1番サビ(ドロップ)はとてもエネルギーが強く、その後の2番Aメロはとても静かなので、このようなオートメーション(下記画像の赤線)にします。

https://www.youtube.com/watch?v=_g-MmazYc9o

他にも、だんだん盛り上がるところ(ビルドアップなど)があれば、その様子をオートメーションで可視化していきましょう。

https://www.youtube.com/watch?v=_g-MmazYc9o

このようにエネルギーマップを描いていくと、楽曲の分析として勉強になることはもちろん、自分の曲にもそのまま活かすことができます。

自分の曲を作るときも、このようなエネルギーマップを最初に作ってから進めると、「どのセクションがどのようなエネルギー量にするべきか」を常に確認できるので、どうしようか迷うことも減ります。


つづき「Part3」はこちら↓


人気記事

1

今回は、アメリカのプロデューサーNathan James Larsenが解説する「僕のお気に入りのボーカルチェイン」をまとめました。「どんな曲であっても、ミックスの83%はこのボーカルチェインを使っている」というぐらい汎用性が高い内容ですので、ぜひお試しください。

2

今回は、Doctor Mixが解説する「歴代のシンセサイザーTOP10」をご紹介します。みなさんがよく耳にする「あの音」は、実はこれらのシンセサイザーの音かも…!?「聞いたことある!」「あの音って、このシンセの音だったんだ!」と驚くこと間違いなしです!

3

今回は、これからDTMをはじめたいという方向けに「Amazonで買えるDTM初心者セット」を3つご紹介します。「これからDTMをはじめたいけど、何を買ったらいいかわからない」「とりあえずこれさえ買っておけばOKみたいなセットはない?」このような方のための記事ですので、ぜひ参考にしてください。

4

今回は、音楽で使うスピーカーに付いている「謎の穴」について解説します。いろいろなスピーカーを見てみると、前面下側に細長く穴が空いていたり、側面に丸い穴が空いてあったり、中には背面に穴が空いていることがあります。この謎の穴は、いったいどのような役割があるのでしょうか?

5

K-POPっぽい曲って、どうやったら作れる?K-POPの特徴って何?今回はこのような疑問にお答えします!海外プロデューサーが教える「K-POPの全体的な特徴」について徹底解説!これを前提に作曲していけば、よりK-POPっぽい曲が作れるようになります。

6

今回は、Big Zが解説する「SKRILLEX(スクリレックス)レベルでミックス・マスタリングする方法」をまとめました。SKRILLEXのように「音にパンチ・厚み・パワー」がありながら音圧を上げるには一体どのようにすればいいのでしょうか?DTMをしている全ての方、必見の内容です!

7

今回は、LANDRが解説する「DIベースとは?」をまとめました。音楽に親しんでいる方でも、「DIベース」とは何か、DIベースのレコーディングで使われる「DIボックス」とは何か、自分はDIボックスが必要なのかどうかが分からない方も多いでしょう。この記事では、これらについて詳しく解説していきます。

8

当サイトのnoteアカウントにて「楽曲のサビ・Aメロ・Bメロ・Cメロ・ポストコーラス・イントロ&アウトロの作り方」をそれぞれアップしました。 「曲を作るときに何から始めたらいいかわからない」「 ...

9

今回は、Audio Universityが解説する「音響心理学を活かしたミキシングテクニック」をまとめました。この記事ではそのうち、多くの人がミキシングで悩む「マスキング問題」とは何か?について解説しています。

10

今回は、さまざまなジャズのジャンル・種類をまとめました。「ジャズ」と言ってもいろいろなスタイルがあり、それぞれ特徴が異なります。この記事では18種類のジャズスタイルをご紹介しますので、ぜひお気に入りのスタイルを見つけてみてください。

-作曲全般