【DTM】アマチュアがやっている「8つの作曲・MIXの間違い」Part2
- 2024.08.15
- 2024.08.13
- 作曲全般
今回は、EDM Tipsが解説する「あなたの曲がアマチュアに聞こえる8つの理由」をまとめました。
プロのサウンドに近づけるためにできること、プロっぽい作曲やミックスをするためのコツを惜しみなく紹介していきます。
例えばこちらの「Before」のサウンドが、今回ご紹介するポイントを使うだけで「After」のサウンドにすることができます↓
今回はPart2として、「4つ目〜5つ目の間違い」をご紹介していきます。
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作曲・MIXの間違い4.「複雑さ」と「シンプル」のバランスが悪い
プロの楽曲は、「複雑」と「シンプル」を非常にうまくブレンドしています。
これはどちらかというと技術的なスキルに関係しているでしょう。
DTMを学ぶときに陥りやすい落とし穴
多くの人が、作曲やミックスを始めたばかりの初心者のとき、曲がシンプルすぎて面白味がなかったり、細かいニュアンスに気を配れなかったでしょう。
そこから曲作りを学んでいくと、だんだん多くのプラグインやテクニックを利用するようになり、楽曲に複雑性を取り込めるようになっていきます。
すると、今度は逆に学んだことを全て曲に詰め込もうとしてしまい、エフェクトを使いすぎたり非常に複雑な曲にしてしまいがちです。
「今の自分がまさにそうだな」と思った方は、多くの人がこのようなプロセスを経験しますので、決して落ち込まないでください。
複雑さとシンプルの共存
「シンプルすぎる」と「複雑すぎる」を回避し、この2つを上手に共存させるには「1~2個のコアなアイデアを決めておく」がおすすめです。
最初にその曲の根幹となるもの(テーマ、聞かせたい音、絶対に使いたい技術など)を決めておき、あとはそれを達成するためにどうしたらいいかを考え、これまで学んできたことを使いながら達成すればOKです。
そしてこのとき、Part1の「間違い1」でお伝えした「曲中では1つの雰囲気・テーマに沿って曲を作ろう」がポイントとなります。
複雑さとシンプルの共存の例1 – David Guetta「Titanium」
それでは、David Guettaのヒット曲「Titanium」を例に解説します。
※動画の著作権違反を避けるため、原曲とピッチを変更しています
この曲では2種類のコード進行が使われており、黄色のセクション(イントロ〜Aメロ)が1つ目のコード進行、緑色のセクション(Bメロ〜サビ)が2つ目のコード進行が使われている部分です。
それでは、実際に聞いてみましょう。
曲のはじめは基本的に「ギター」「ボーカル」「キック」のシンプルな構成とフレーズが使われています。
そしてセクションごとにギターがいなくなったり、シンセが入ったりなどの変化がありますが、基本的には4~5程度の要素しかありません。
使われている楽器の数だけ見るととてもシンプルですが、その中でも上手に音をレイヤーして曲に華やかさを出し、音をしっかりまとめています。
複雑さとシンプルの共存の例2 – Ben Burma「Memoriam」
次はBen Burmaの「Memoriam」です。
コード進行だけ見るととてもシンプルで1種類しか使われていません。
しかし、ここに微妙なニュアンスの変化を加えるレイヤーがたくさん使われています。
ドラム(ビート)を入れたり、ストリングスを入れたり、同じコード進行でも味付けされるような音を入れています。
同じコード進行を使うシンプルさはあるものの、適切な量をレイヤーすることでちょうどいい複雑性を加えています。
複雑さとシンプルの共存の例3 – Calvin Harris「My Way」
次も1種類のコードを使った曲です。
ボーカル、ピアノ、ベースの3つの楽器を中心に曲が展開されます。
サビを聞いてみましょう。
新しいレイヤーであるStabが入り、新しい展開になりました。
ギターのようなマリンバのような音で、これが入ることにより同じコード進行で新しい展開を出しながら、しっかり音にまとまりを出しています。
複雑に聞こえる曲も、実はシンプル
Skrillexの「Bangarang」など、一見複雑そうに聞こえる楽曲でも、実は1~2個のコアなアイデア(要素)があり、それを軸に曲が作られています。
そのため、ただ複雑でごちゃごちゃに聞こえるのではなく、「複雑に聞こえるけど耳に残る曲」にすることができています。
作曲・MIXの間違い5.エネルギーマップを作っていない
先ほどは「ミクロの視点」の例をご紹介しましたが、こちらは「マクロの視点」に関する内容です。
これは言い換えると、「曲のエネルギーマップを作ろう」ということになります。
これを作るときは、参考曲をマネしても構いません。
エネルギーマップの作り方
例えば先ほどご紹介したDavid Guettaの「Titanium」を参考に、エネルギーマップを作ってみましょう。
参考曲をDAWにインポートし、次に空のトラックを1つ用意します。
この空のトラックにはGainプラグインだけを追加し、このGainプラグインを使ってオートメーションを書きます。
次に、必要であれば参考曲のオーディオファイルをカットし、それぞれ色付けするなどしてどこがどのセクションなのかをメモしておくのもよいでしょう。
おそらく、サビ(ドロップ)が曲の中で一番盛り上がるセクションになるでしょう。
その中でも特に、一番最後のサビ(ドロップ)が盛り上がることが多いと思います。
それでは実際に聞きながら、エネルギーマップを描いていきます。
例えば1番サビ(ドロップ)はとてもエネルギーが強く、その後の2番Aメロはとても静かなので、このようなオートメーション(下記画像の赤線)にします。
他にも、だんだん盛り上がるところ(ビルドアップなど)があれば、その様子をオートメーションで可視化していきましょう。
このようにエネルギーマップを描いていくと、楽曲の分析として勉強になることはもちろん、自分の曲にもそのまま活かすことができます。
自分の曲を作るときも、このようなエネルギーマップを最初に作ってから進めると、「どのセクションがどのようなエネルギー量にするべきか」を常に確認できるので、どうしようか迷うことも減ります。
つづき「Part3」はこちら↓
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