音大に行くべきではない7つの理由【有名音大出身者が解説】

音大に行くべきではない7つの理由【有名音大出身者が解説】

今回は、バークリー音楽大学(ギター専攻)を卒業したDani Robinが解説する「音大に行くべきではない7つの理由」をまとめました。

音大卒業生でありながら「音大には絶対に行くな」と断言するDaniが、音楽大学に行くデメリットをストレートに語ります。

他の音大系動画に比べてかなり辛口の内容ですが、動画のコメント欄には賛同する声も多数上がっているため、音大進学を考えている人はぜひ参考にしてください。

7 Reasons Why You Should NOT Go to Music School (TRIGGER WARNING)

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音大に行かない方がいい理由1.大学は夢を与えているだけだから

音大に行かない方がいい理由1つ目は「大学は夢を与えているだけだから」です。

言い方は悪いですが、大学側は学生に夢を与えているだけで、お金を搾取しているような状態だと思います。

バークリー音大をはじめ、音大には奨学生制度があり、入学時点で優秀な人には返済不要の奨学金を与えることがあります。

このように「入学時点で音大に行かなくてもある程度の知識とスキルを持っている人」なら、学費のことを心配せずに学生生活を謳歌できます。

一方で、音大に行ってから知識とスキルを身につけようとしている人には「音楽のプロになれるかもしれない」という夢を与え、奨学生には選ばず多額の学費を要求しています。

そのような多額の学費を支払わなければいけない学生は、やがて学費が払えなくなり、何も学べないうちに退学してしまうこともあります。

4年間通っていても、基礎すらままならないような人もいます。

例えばコロンビア大学の音楽学部を卒業した人に会ったことがありますが、ベーシックなブルースの4コードすら弾けないレベルでした。

大学側は基礎すらしっかり教えてくれず、多額のお金が欲しいために学生に夢を売っているだけなのです。

バークリー音大を卒業した僕(Dani)がもし親だったら、まず子供が25歳になるまで待って、それまでお金を貯めておき、25歳になってから「今もまだバークリーに行きたいと思うか?」と聞きます。

もちろん子供の夢は応援したいので、それでYESと答えたら学費を出しますが、いきなり音大に行かせることはないでしょう。

音大に行かない方がいい理由2.学生ローン・奨学金返済のリスクが高いから

音大に行かない方がいい理由2つ目は「学生ローン・奨学金返済のリスクが高いから」です。

もし学生ローンや返済が必要な奨学金を使って音大に行こうとしている人がいたら、音大進学は止めた方がいいと思います。

ある程度の経済的余裕がある人ならいいと思いますが、奨学金や学生ローンを組んで生活がギリギリになるような人にはおすすめできません。

お金のことで頭がいっぱいになるような経済状況になってしまうと、音楽を学ぶのではなく節約術を学ぶことになってしまいます。

音大で学生ローン(奨学金)を使っていた友達の話

僕にはピアノ専攻の友達がいましたが、彼女は学費と生活費のためにローンを借りていて、生活がとても大変そうでした。

そして、誇張ではなく本当に「エリーゼのために」を弾けるぐらいのレベルにしかなっていませんでした。

3週間のプログラムを終えた頃、ある日のレッスンでピアノ専攻の先生が「ドロップ2ボイシングを弾いてみて」と聞いたところ、彼女は涙を流して部屋を出ていきました。
ドロップ2ボイシング:コードのうち、上から2番目の音を1オクターブ下にしたボイシング

そして、彼女はバークリー音大を辞めるのではなくハンドパーカッション専攻に変更すると言い、その後3年半はパーカッションを学びました。

しかし結局、卒業後に残ったのはプロレベルのスキルではなく、$300,000の借金でした。
※2025年時点、日本円で4600万円程度

無事に卒業はできたのですが、その後はすぐウェイトレスの仕事を始め、今でもその仕事を続けていると思われます。

その他にも、大して真剣なテストをしていないのにA評価を与え、進級・卒業させている教授もいます。

音大に行っても「できるだけ長く在籍してもらうことでお金を払い続けて欲しい」と思っている教授なら、真剣に教えてくれず、成長もできず、ただA評価を与えて進級・卒業だけさせるということも実際にあります。

このように、たとえ音大を卒業できてもスキルが身に付かず、その後の人生を莫大なローン返済(奨学金返済)のために使わなくてはいけないこともあるのです。

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音大に行かない方がいい理由3.時代に合わないカリキュラムや教えがあるから

音大に行かない方がいい理由3つ目は「時代に合わないカリキュラムや教えがあるから」です。

音楽ビジネスに関する本を読むと、多くの本にグラスルーツ運動(草の根運動)のことが書いてあります。

グラスルーツ運動とは「はじめはご近所や地域など一般市民同士のつながりからスタートし、徐々にその輪を広げていくことで世界を変えていこう」という考え方です。
※上層部の組織や人から指示・支持されて実現するのではなく、個人・小さな団体から徐々にステップアップしていく

音楽でよく例えられるのは、はじめは小さな会場で数人〜数十人のお客さんに演奏し、徐々に評判が広まって、ゆくゆくはメジャーデビュー、全国ツアー、世界進出…というルートです。

しかし、時代が経つにつれてそのような成功ルートを辿るポップスターやロックスターは少なくなっています。

ところが、音大ではこのようなストーリーをウリにして生徒に夢を持たせ、カリキュラムは時代にそぐわないままになっていることがあります。

例えば今はTikTokでバズって有名になるアーティストはたくさんいる時代なのにも関わらず、まだ「Facebookでの繋がりや出会いが大事だ」と言っている教授もいます。

このように、時代に合わせた内容や方法を教えてくれず、昔からよく言われているような一般的なことしか教えてくれないことがあります。

音大に行かない方がいい理由4.音大卒の肩書きは仕事を保証するわけではないから

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音大に行かない方がいい理由4つ目は「音大卒の肩書きは仕事を保証するわけではないから」です。

僕がバークリー音大を卒業した1年後の2008年、ギターレッスンの先生の仕事に就こうと履歴書を送って応募しました。

「バークリー音大卒」という肩書きが少しは有利に働くと思っていましたが、残念ながら採用されませんでした。

何千万円もの大金を払って音大を卒業して学位を得ても、それが仕事を得られる保証にはならないのです。

音楽業界では、学歴や学位は関係ないのです。

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音大に行かない方がいい理由5.音楽のプロと友達になれるわけではないから

音大に行かない方がいい理由5つ目は「音楽のプロと友達になれるわけではないから」です。

音大に行けば自分と同じぐらい音楽に熱意を持った人と出会えるから、きっといい仲間ができるだろうと思うでしょう。

「未来の音楽業界を担うようなスーパースターが自分の友達になることだってあるかもしれない」と考える人もいるでしょう。

しかし、残念ながら現実はそうではありません。

まず、大学を無事に卒業できた人の中で、彼らが思い描いていた音楽の仕事で生計を立てられている人はほぼゼロに近いです。

特に学生ローン(奨学金)の返済がある人は、一人残らずミュージシャンになる夢を諦めています。

音楽の仕事を探すよりも、借金の返済の方が先になってしまっているからです。

音大で友達ができて、卒業後はその人がプロになっていて、自分はその人と友達だから音楽の仕事も紹介してもらえる…なんてことは無いに等しいのです。

音大に行かない方がいい理由6.音楽環境のために犠牲を払う必要はないから

音大に行かない方がいい理由6つ目は「音楽環境のために犠牲を払う必要はないから」です。

音大の魅力の一つとして「学校内に音楽スタジオなどの練習場所があること」が挙げられます。

「音大は音楽の練習するためのいい環境を与えてくれる場所」と言われることがありますが、それなら自宅や地元の音楽スタジオを借りてもいいのではないかと思ってしまいます。

何千万円もの大金を払ってまで、その施設代・設備費にお金を払う必要はあるのでしょうか?

また、自分の力でバンドを結成したり音楽仲間を作るスキルがない人が「音大に行けば自分は変われる」と思っているところも問題です。

もともとそのような社交スキルが乏しい人の中には、音大に行くために見ず知らずの街に引っ越したら、なぜか突然いろいろな人にアプローチできるようになって仲間を作り、一緒に曲を作ってライブまで開催できるようになると思い込んでいる人がいます。

しかし、そんなに都合良く花が開くとは考えにくいでしょう。

音大では自由に練習できる時間が犠牲になることもある

特に「自由に練習したい」と思っている人は、むしろ音大に行かない方がいいと言えます。

高校までは自分で好きな練習を好きなだけできたかもしれませんが、音大ではそうもいきません。

常に近くの部屋から他の学生の楽器の音が聞こえて、逆に気が散ってしまうかもしれません。

また、授業を受ければそれだけ課題(宿題)も出るので、課題に追われるばかりで自分の自由時間が減ってしまうこともあります。

時には「必修の授業だからこの課題は絶対にやらなければいけない」というだけで、自分にとっては大して必要のなさそうな課題であることもあります。

大学という場所であるからこそ、時には単位だけのためにやりたくないこともやらされてしまうことがあります。

音大は素晴らしい設備が整っている場所かと思うかもしれませんが、その代わりに莫大なお金や自由時間を犠牲にしなければいけないこともあります。

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音大に行かない方がいい理由7.いきなり音大に行く必要はないから

音大に行かない方がいい理由7つ目は「いきなり音大に行く必要はないから」です。

もしいま音大進学を考えていて、まだ個人レッスンを十分に受けたことがない方は、ぜひ音大を受験する前に1~2年間個人レッスンを受けてみてください。

音大の教授の中には「音大でしか教えません」という人は少なく、音大以外でも個人レッスンを受け持っている人もいます。

中には、音大の学費よりももっと安い値段でレッスンをしてくれることもあります。

いきなり何千万円ものお金を出す必要はありません。

成長したいなら、個人レッスンを週に何回か受けるだけでもいいのです。

お金はないけど音大に行きたい人ほど最初に音大に行くべきでない理由

音大には奨学生制度を設けているところがあり、入学時点で特待生になると学費を一部または全額免除してくれることがあります。

中には「音大に行きたいけど、学費が高すぎる」という理由で進学を諦める人や、返済が必要な奨学金(学生ローン)を無理やり借りてでも音大に行く人がいます。

しかし音大に行く前に1〜2年間だけ個人レッスンを受けて上達すれば、上達したおかげで奨学生に選出され、学費が免除された状態で音大に行くことができます。

個人レッスンだけでなく、YouTubeのレッスン動画を見て学ぶこともできます。

レッスンを受けたり個人練習をして成長はしているはずなので、音大に行く前の1〜2年間は決してムダにはなりません。


以上が「音大に行くべきではない7つの理由」でした。

当サイトでは他にもバークリー音大やジュリアード音楽院の現役生・卒業生による解説動画をまとめていますので、ぜひこちらも参考にしてください。
(音大進学に関しては肯定的な意見から否定的な意見までさまざまありますので、ぜひいろいろな意見を見てみてください)

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