【DTM】大量のボーカルトラックを使った12の作曲テクニック 後編
ボーカルをうまく使った作曲方法ってある?
今回はこのような疑問にお答えする内容です。
今回は後編として、7~12個目のテクニックをご紹介します。
Andrewの楽曲には、どうしてこんなに多くのボーカルトラックが使われているのか?
ボーカルをうまく活かした作曲方法はどんなものなのか?
この疑問にお答えするのはもちろん、今日からすぐ使えるテクニックが満載ですので、ぜひお試しください!
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作曲テクニック7.ハーモニーを半分だけ整える
7つ目の作曲テクニックは「ハーモニーを半分だけ整える」です。
これは「バッキングボーカル(ハーモニーパート)を複数使うとき、そのうち半分だけをAuto-Tuneで直す」という方法です。
実際にAndrewのアルバムでは、このテクニックを使っています↓
10:13~
「ナチュラル」と「美しさ」のちょうど中間
ここにはボーカルトラックがいくつかありますが、頑張って歌っても、やはり人間ですから、微妙にピッチがズレたりします。
こういう時はきっちりピッチを直したくなるかもしれませんが、逆に全パートを直すと、ちょっと人工的な感じがしてしまうこともあります。
そのため、自然なサウンドをキープするために、ハーモニーパートのうち半分だけを直すのです。
ピッチが正確なパートもありながら、人間らしい微妙なズレも保てるので、「きれいさ」と「人間らしさ」の両方を兼ね備えることができます。
作曲テクニック8.たくさんのアイデアをすぐレコーディングしておく
8つ目の作曲テクニックは「たくさんのアイデアをすぐレコーディングしておく」です。
Andrewはイスに座って作曲を進めている時、アイデアが思い浮かんだらすぐレコーディングしているそう。
アイデアを即レコーディングした後はトラックに入れてみて、いいなと思ったら別の箇所にもその要素を取り入れています。
実際にAndrewの曲の中には、曲中で5秒程度しか出てこないアイデアが20~30トラック分、ところどころに散りばめられています。
画像:動画より
ちなみにAndrewが使っているマイクは、Lauten AudioのFC-387とLS-208です。
ちなみに以前は、よりお手頃なSM7Bを使っていたそうです↓
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作曲テクニック9.トラックを分けて、いろいろな方法で処理してみよう
ボーカルトラックをたくさん使ってハーモニーを作る時は、1トラックにすべてをまとめてしまうのではなく、別々のトラックに分け、それぞれ違う処理をしてみましょう。
トラックを分けることで個別に処理しやすくなるので、より自分の理想に近く、ユニークでおもしろいサウンドを作りやすくなります。
たとえば下の画像でいうと、黄色のトラックと水色のトラックはボーカルパートですが、それぞれ違った処理を行っています。
画像:動画より
ちなみに黄色部分のトラックは、前編でご紹介したの「フレディーマーキュリー」のトラックです。
ここではフェーザーを使っており、こんな感じのサウンドです↓
12:07~12:20
また同時に鳴らすボーカルであっても、個別にボリュームやパンを調節していきます。
画像:動画より
昔はトラック数が限られていなかったので、このように「大量のトラックを個別に処理する」ということができませんでした。
しかし、今は技術が進歩したので、何十トラック使っても大丈夫です。
作曲テクニック10.ラップをピッチシフトする
10個目の作曲テクニックは「ラップをピッチシフトする」です。
これは、単純に「ラップパートの音程を極端に上げたり下げたりしてみる」というものです。
今回ご紹介するAndrewの楽曲では、Dresageの楽曲の「Hold Me Like A Weapon」という歌詞の部分を使っています。
13:03~13:13
このラップのサンプルは、4パートに分けて使っています。
1つ目はピッチを上げ、2つ目はピッチを下げ、3つ目と4つ目はピッチを変えつつエフェクトを加えています。
13:43~13:55
ピッチシフトしただけでも、おもしろいサウンドになっていることがわかります。
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作曲テクニック11.ボーカルのトランジェントを調整してみる
11個目の作曲テクニックは「ボーカルのトランジェントを調整してみる」です。
こちらは、先ほどのラップパートに適用しているテクニックです。
AndrewはAbletonを使っていますが、ボーカルに対しては、それぞれ別のWarp Modeを適用しています。
画像:動画より
このWarp Modeを「Beats」「16分音符」に設定し、「Transient Envelope」を調整することで、ラップパートをよりスタッカート感のあるサウンドにしています。
作曲テクニック12.自分の声を楽器として使ってみよう
12個目の作曲テクニックは「自分の声を楽器として使ってみよう」です。
まずは、こちらをお聞きください↓
14:28~14:32
最後の方に、スネアにエコーをかけたような「バーン」というサウンドが聞こえたかと思います。
実はこれ、ボーカルを2トラック重ねて作ったサウンドです。
ボーカルでスネア+エコー系のサウンドを作る方法
まずは「Ah」という、息を交えたボーカルを録音します。
14:37~14:43
あとは、Dark系のリバーブを足し、2トラックのPanを左右に振ればOKです!
以上で「大量のボーカルトラックを使った12の作曲テクニック」の解説は終了です。
当サイトでは他にもボーカル関連のDTMテクニックをご紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください↓
前編はこちら↓
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