【DTM】大量のボーカルトラックを使った12の作曲テクニック 後編

【DTM】大量のボーカルトラックを使った12の作曲テクニック 後編
海外の音楽プロデューサーが実際に使っているテクニックを知りたい!
ボーカルをうまく使った作曲方法ってある?

今回はこのような疑問にお答えする内容です。

カナダの有名プロデューサーAndrew Huangが投稿した動画「この曲にはボーカルが69トラックあります」の内容をまとめました。

今回は後編として、7~12個目のテクニックをご紹介します。

Andrewの楽曲には、どうしてこんなに多くのボーカルトラックが使われているのか?

ボーカルをうまく活かした作曲方法はどんなものなのか?

この疑問にお答えするのはもちろん、今日からすぐ使えるテクニックが満載ですので、ぜひお試しください!

Here's a weird way to make interesting chords!

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作曲テクニック7.ハーモニーを半分だけ整える

7つ目の作曲テクニックは「ハーモニーを半分だけ整える」です。

これは「バッキングボーカル(ハーモニーパート)を複数使うとき、そのうち半分だけをAuto-Tuneで直す」という方法です。

実際にAndrewのアルバムでは、このテクニックを使っています↓

10:13~

This song has 69 vocal tracks

「ナチュラル」と「美しさ」のちょうど中間

ここにはボーカルトラックがいくつかありますが、頑張って歌っても、やはり人間ですから、微妙にピッチがズレたりします。

こういう時はきっちりピッチを直したくなるかもしれませんが、逆に全パートを直すと、ちょっと人工的な感じがしてしまうこともあります。

そのため、自然なサウンドをキープするために、ハーモニーパートのうち半分だけを直すのです。

ピッチが正確なパートもありながら、人間らしい微妙なズレも保てるので、「きれいさ」と「人間らしさ」の両方を兼ね備えることができます。

作曲テクニック8.たくさんのアイデアをすぐレコーディングしておく

8つ目の作曲テクニックは「たくさんのアイデアをすぐレコーディングしておく」です。

Andrewはイスに座って作曲を進めている時、アイデアが思い浮かんだらすぐレコーディングしているそう。

アイデアを即レコーディングした後はトラックに入れてみて、いいなと思ったら別の箇所にもその要素を取り入れています。

実際にAndrewの曲の中には、曲中で5秒程度しか出てこないアイデアが20~30トラック分、ところどころに散りばめられています。


画像:動画より

ちなみにAndrewが使っているマイクは、Lauten AudioのFC-387とLS-208です。



ちなみに以前は、よりお手頃なSM7Bを使っていたそうです↓


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作曲テクニック9.トラックを分けて、いろいろな方法で処理してみよう

ボーカルトラックをたくさん使ってハーモニーを作る時は、1トラックにすべてをまとめてしまうのではなく、別々のトラックに分け、それぞれ違う処理をしてみましょう。

トラックを分けることで個別に処理しやすくなるので、より自分の理想に近く、ユニークでおもしろいサウンドを作りやすくなります。

たとえば下の画像でいうと、黄色のトラックと水色のトラックはボーカルパートですが、それぞれ違った処理を行っています。

画像:動画より

ちなみに黄色部分のトラックは、前編でご紹介したの「フレディーマーキュリー」のトラックです。

ここではフェーザーを使っており、こんな感じのサウンドです↓

12:07~12:20

This song has 69 vocal tracks

また同時に鳴らすボーカルであっても、個別にボリュームやパンを調節していきます。

画像:動画より

昔はトラック数が限られていなかったので、このように「大量のトラックを個別に処理する」ということができませんでした。

しかし、今は技術が進歩したので、何十トラック使っても大丈夫です。

作曲テクニック10.ラップをピッチシフトする

10個目の作曲テクニックは「ラップをピッチシフトする」です。

これは、単純に「ラップパートの音程を極端に上げたり下げたりしてみる」というものです。

今回ご紹介するAndrewの楽曲では、Dresageの楽曲の「Hold Me Like A Weapon」という歌詞の部分を使っています。

13:03~13:13

This song has 69 vocal tracks

このラップのサンプルは、4パートに分けて使っています。

1つ目はピッチを上げ、2つ目はピッチを下げ、3つ目と4つ目はピッチを変えつつエフェクトを加えています。

13:43~13:55

This song has 69 vocal tracks

ピッチシフトしただけでも、おもしろいサウンドになっていることがわかります。

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作曲テクニック11.ボーカルのトランジェントを調整してみる

11個目の作曲テクニックは「ボーカルのトランジェントを調整してみる」です。

こちらは、先ほどのラップパートに適用しているテクニックです。

AndrewはAbletonを使っていますが、ボーカルに対しては、それぞれ別のWarp Modeを適用しています。

画像:動画より

このWarp Modeを「Beats」「16分音符」に設定し、「Transient Envelope」を調整することで、ラップパートをよりスタッカート感のあるサウンドにしています。

作曲テクニック12.自分の声を楽器として使ってみよう

12個目の作曲テクニックは「自分の声を楽器として使ってみよう」です。

まずは、こちらをお聞きください↓

14:28~14:32

This song has 69 vocal tracks

最後の方に、スネアにエコーをかけたような「バーン」というサウンドが聞こえたかと思います。

実はこれ、ボーカルを2トラック重ねて作ったサウンドです。

ボーカルでスネア+エコー系のサウンドを作る方法

まずは「Ah」という、息を交えたボーカルを録音します。

14:37~14:43

This song has 69 vocal tracks

あとは、Dark系のリバーブを足し、2トラックのPanを左右に振ればOKです!


以上で「大量のボーカルトラックを使った12の作曲テクニック」の解説は終了です。

当サイトでは他にもボーカル関連のDTMテクニックをご紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください↓

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前編はこちら↓

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