【DTM】大量のボーカルトラックを使った12の作曲テクニック 前編
ボーカルをうまく使った作曲方法ってある?
今回はこのような疑問にお答えする内容です。
今回は前編として、1~6個目のテクニックをご紹介します。
Andrewの曲には、どうしてこんなに多くのボーカルトラックが使われているのか?
ボーカルをうまく活かした作曲方法はどんなものなのか?
この疑問にお答えするのはもちろん、今日からすぐ使えるテクニックが満載ですので、ぜひお試しください!
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作曲テクニック1.複雑→解決感のあるコードを作ってみる
1つ目の作曲テクニックは「複雑→解決感のあるコードを作ってみる」です。
動画で紹介しているAndrewの楽曲では、複雑なサウンドから、すっきりと解決感のあるサウンドへと変化するボーカルが使われています。
0:51~0:56
ちなみにハーモニーに関しては「耳で聞いて、いいと思ったものを使った」といいます。
分析してみると、この部分に使われるシンセパートはEb dim/Gb。
コード:Eb Gb A
そして、ボーカルのハーモニーはこのようになっています。
Db Eb Gb A C
↓
Db Eb F Ab Db
= Db9
最初はEbからFにいく進行を思いつき、そこから「おもしろさもあり、解決感のあるコード進行」を試行錯誤した結果、このようなコード進行に。
(最後に7thである「C→Db」の進行を足したそうです。)
作曲テクニック2.コード進行中のハーモニーの動きを考えてみる
2つ目の作曲テクニックは「コード進行中のハーモニーの動きを考えてみる」です。
例えば先ほどの「1」で紹介したコード進行ですが、実は、最初のコードと次のコードにはEbとDbが共通しています。
しかし「DbがEbに上がったり、Ebがずっと鳴っていたり、EbがFに行く感じも欲しい」というアイデアがあったため、それらをそれぞれボーカルで再現。
2:09~
またこの際、複数のボーカルパートがあるので、少しずつパンニングもしているのがコツです。
こうすると広がりのあるサウンドになりますし、ミキシングの時も帯域が被らずに済みます。
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作曲テクニック3.リバーブをパンニングしよう
3つ目の作曲テクニックは「リバーブをパンニングしよう」です。
例えばこのボーカルには、リバーブを徐々に加えていくオートメーションを使っています↓
2:45~
さらにこのリバーブに対して、Auto Panを使っています。
画像:動画より
2:50~
こうすると、リバーブがだんだん強くなり、Auto PanのRateも少しずつ速くなっていき、奥行きのあるサウンドになります。
またリバーブのおかげで少し濁った感じになり、1つ1つの主張を和らげ、全体がつながって、まとまって聞こえるようになります。
このようなバッキングボーカルには欠かせないテクニックですね。
作曲テクニック4.フレディー・マーキュリー!?
4つ目の作曲テクニックは「フレディー・マーキュリー!?」です。
これはフレディー・マーキュリーが所属しているバンド「QUEEN」の楽曲「ボヘミアン・ラプソディー」で使われているテクニック。
複数あるパートを、タイミングをズラしてパンを振るというものです。
3:33~
3:55~3:58
どの音をどういう順番で鳴らすのか?も聞こえ方に影響するので、こちらも試行錯誤してみましょう。
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作曲テクニック5.テキスト・ペインティング
5つ目の作曲テクニックは「テキスト・ペインティング」です。
こちらは、先ほどの「フレディー・マーキュリー」のサウンドに少しエディットして使っているテクニックです。
4:53~
レイヤーした2つのボーカルの最後を、コードの変化に合わせてスプリットしていきます(トレモロ・スタッター)。
これは、トレモロをかけて「Rate」と「Depth」をオートメーションで変えていきます。
画像:動画より
プラス、リバーブに対してもオートメーションでトレモロをかけています↓
5:20~
そして、リバーブに対してディストーションを使います。
こうすると、よりダークなサウンドになります。
5:26~
テキストペインディング(ワードペインティング)とは?
音楽用語で、テキスト・ペインティングというものがあります。
これは、音楽が歌詞通りに変化していくテクニックのことです。
たとえば、「上がる」という言葉に関連した歌詞の時は、上昇系のメロディーにしたり、ピッチがだんだん上がっていくようにしたりします。
Andrewも、歌詞や描きたいイメージに合わせて、このような技法を使っているそうです。
作曲テクニック6.手動でグライド
6つ目の作曲テクニックは「手動でグライド」です。
こちらは、Auto-Tuneで使えるテクニックです。
6:35~
元は1つの音(ワンノート)で歌っていたものを、Auto-Tuneを使って手動でピッチをグライドさせています。
Auto-Tuneは手書きでピッチの線が描けるので、グライドの具合を細かく調整できます。
画像:動画より
9:00~
人間の声では再現できない「めちゃくちゃなグライド」も、線で描けます。
9:10~
Auto-Tuneのいいところは、ナチュラルにピッチを修正できる機能もあれば、逆にがっつりケロケロボイスにもできるところです。
ボーカルはボーカルでも「ちょっと人工的なバッキングボーカルっぽさを出したい」など、微妙なニュアンスもAuto-TuneがあればOKです。
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