【DTM】音に広がりと迫力を加える6つの方法
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今回は、Make Pop Musicが解説する「超広がりのあるシンセサウンドを作る6つのテクニック」をまとめました。
「バーンと壮大に広がりがあるような音にならない」「音を広げようとしたけどなんだか曲になじまない…」という方も、6つのテクニックを使えば、このような広がりと重厚感・迫力のあるサウンドを作ることができます。
このようなサウンドは、ポップスだけでなく映画音楽やゲーム音楽などにも使えますので、ぜひマスターしてください!
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音に広がりと迫力を加える6つの方法
今回ご紹介する音に広がりと迫力を加える方法は、こちらの6つです。
2.リバーブとディレイを使う
3.モジュレーション系エフェクトを使う
4.レイヤーとPanを使う
5.ステレオイメージプラグインを使う
6.Mid Side EQを使う(MS処理)
それでは、1つずつ解説していきます。
音に広がりを出す方法1.ユニゾンとディチューンを調整する
音に広がりを出す1つ目の方法は「ユニゾンとディチューンを調整する」です。
「Serum」などのシンセサイザーの場合、ユニゾン(Unison)やボイス(Voice)などのパラメーターで、1度に出す音の個数を調整することができます。
このパラメーターを使ってユニゾン数を増やした後、ディチューン(Detune)で各ユニゾンのピッチを微妙にズラすと、広がりのある音になります。
ユニゾンとディチューンを調整するときの注意点
ユニゾンとディチューンを調整して広がりを出す方法はとても簡単ですが、2つの注意点があります。
1つ目の注意点は、ディチューンはピッチを変更するので、やりすぎるとピッチが悪くモヤモヤした音になってしまう点です。
2つ目の注意点は、音を広げたときに高音域の質感が元の音と変わってしまう点です。
音色が大きく変わってしまうことがあるので、ユニゾン+ディチューンの変更であまり好みではない音になってしまった場合は、これからご紹介する別の方法を使うとよいでしょう。
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音に広がりを出す方法2.リバーブとディレイを使う
音に広がりを出す2つ目の方法は「リバーブとディレイを使う」です。
例えばリバーブとディレイを両方使うと、このようなサウンドになります。
左右の広がりに加えて、音全体が少し柔らかい雰囲気になりました。
先ほどご紹介した「ユニゾンとディチューンを調整する」を同時に行うと、効果が倍増します。
より広がりのあるリバーブが欲しい方は、「Supermassive」「Blackhole」「Pro-R」などのプラグインがおすすめです。
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音に広がりを出す方法3.モジュレーション系エフェクトを使う
音に広がりを出す3つ目の方法は「モジュレーション系エフェクトを使う」です。
モジュレーション系エフェクトには、コーラス(Chorus)、フランジャー(Flanger)、フェーザー(Phaser)などがあります。
例えばArturia社「Chorus JUN-6」を使うと、このような広がりのあるサウンドになります。
コーラスやフランジャー、フェーザーなどは、わかりやすくエフェクトがかかった音になります。
Pad系のサウンドにはフィットしやすいですが、場合によっては「人工的な音がして合わない」と感じることもあります。
そのため「広がりは欲しいけど元の音の質感はあまり変えたくない」という場合は、別の方法を試すとよいでしょう。
Serumで使える「HYPER / DIMENTION」エフェクトも活用しよう
Xfer Records社「Serum」には「HYPER / DIMENTION」というエフェクトがあります。
こちらもステレオ感を加えることができるエフェクトですので、もしSerumをお使いの場合はこちらも試してみましょう。
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ユニゾン+ディチューン+空間系エフェクト+モジュレーション系エフェクトを使うとどうなる?
ちなみにこれまでご紹介した3つのテクニックをすべて使うと、このようなサウンドになります。
Pad系のサウンドに使うと、このようなサウンドになります。
音に広がりを出す方法4.レイヤーとPanを使う
音に広がりを出す4つ目の方法は「レイヤーとPanを使う」です。
例えば、こちらのシンセリードをお聞きください。
今の時点でいかにも「エフェクトをかけているな」というサウンドで、アタック感は薄れ、どちらかというと柔らかい音になっています。
しかし、場合によっては「広がりは出したいが、アタック感も出したい」という時もあるでしょう。
そのような時は、この「レイヤーとPanを使う」という方法がおすすめです。

やり方は簡単で、元々の音(上の画像のオレンジのトラック)に対し、2つのトラック(下2段、黄緑色)を重ねるだけです。
全く同じ設定にすると効果がなくなるので注意
2.レイヤー用のトラックのPanを左右に振る
片方を左に、もう片方を右に振る
3.元々のトラックのMIDIを、レイヤー用のトラックにコピーする
レイヤー用のトラックを2つ用意するときは、似ているプリセットを2つ選んだり、同じプリセットでも少しだけ設定を変えた音にしたり、MIDIを少しズラすのがポイントです。
全く同じ設定・プリセットを左右に振っても広がりは出ず、音が似過ぎていると位相問題が発生して違和感のある音になりやすいので、こちらは注意が必要です。
この方法を使うと、このような音になります。
Pad系のサウンドだけ鳴らしていた時は、「広がりはあるけれどアタック感はない」というフワっとしたサウンドでした。
そこにプラック系のトラックを2つレイヤーしてPanを左右に振ったことで、「広がりもあるしアタック感もある」というサウンドになりました。
言い換えると、「やわらかい広がり担当」と「パキっとしたアタック担当」を作ったことで、両方を兼ね備えたサウンドを作ることができます。
Before/Afterで聞いてみると、プラック系のサウンドの存在感が際立ちます。
前述でご紹介した空間系エフェクトやモジュレーション系エフェクトを使って音にアタック感がなくなってしまったときは、このようにプラック系の音をレイヤーしてみると効果的です。
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音に広がりを出す方法5.ステレオイメージプラグインを使う
音に広がりを出す5つ目の方法は「ステレオイメージプラグイン」です。
ステレオイメージプラグインは、その名の通りステレオイメージ=音の広がり方を調整できるプラグインです。
これまでご紹介した方法は、エフェクトを加えたり別の音をレイヤーする方法だったため、音そのものを変えてしまうデメリットがあります。
そのため、「音の質感はできるだけ維持したい」というときには、ステレオイメージプラグインを使うとよいでしょう。
例えばiZotope社「Imager」を使うと、このようなサウンドになります。
「Imager」は「中音域だけ広がりを出す」のように、周波数帯域ごとにステレオイメージを調整できるのがポイントです。
他にも、Slate Digital社「Murda Melodies」もおすすめです。
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Slate Digital社「Murda Melodies」を購入する
Waves社「S1 Imager」
Waves Gold、Platinum、Diamondなどに付属しています。
Gold→Platinum→Diamondの順で値段が安く、Goldが一番プラグイン数が少ないですが、初心者であればGoldでも十分です。
音に広がりを出す方法6.Mid Side EQを使う(MS処理)
音に広がりを出す6つ目の方法は「Mid Side EQを使う(MS処理)」です。
EQしか使わないので、これまでご紹介した方法の中では、最も元の音を崩さずに広がりを出せる方法です。
やり方は簡単で、MS処理ができるEQを使って、周波数帯域ごとにMid/Sideの音量を調整します。
プラグインによっては、Side(左右)だけでなく「Left」「Right」などさらに細かく調整できる製品もあります。
例えばPro-Q3の場合、バンドをクリック→「Stereo」モードから「Side」「Left」「Right」モードなどに変更できます。

例えばSide(横から聞こえる音)のうち高音域だけをブーストすると、左右から聞こえる「シャーッ」とした高音域の音量が聞こえやすくなるので、存在感が増し、それによって広がりがあるように聞こえるようになります。
また、Sideの低音域〜中音域をブーストすると、より重厚感のある壮大なサウンドにすることも可能です。
中音域のMidを減らし、中音域と高音域のSideをブーストすると、このようなサウンドになります。
MS処理ができるおすすめプラグイン
MS処理ができるEQプラグインの中で最もおすすめなのは、Fabfilter社「Pro-Q」です。
DTMerで持っていない人はいないというレベルで世界的に有名なプラグインですので、まだお持ちでない方はぜひGETしてください。
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学生・教職員の方は、「RockOnline」にてエデュケーション版を購入することができます。
※製品の内容は全く同じで、学割が適用されます
Pro-Qシリーズの使い方や実際の効果はこちらでご紹介しています↓
以上が「音に広がりと迫力を加える6つの方法」でした。
当サイトでは他にも音を広げる方法や迫力を加える方法についてまとめていますので、ぜひこちらもご覧ください↓
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