【DTM・MIX】アコギにリバーブを使うときの4つのコツ Part1

【DTM・MIX】アコギにリバーブを使うときの4つのコツ Part1
アコギにリバーブを使うとき、どうやったらプロっぽいサウンドにできる?

今回はこのような疑問にお答えする内容です。

今回はこのうち、Part1として「リバーブで3D感を作る方法」を解説していきます。

アコギはポップス・カントリー・ヒップホップなど、さまざまなジャンルで使われている楽器です。

しかし、いいリバーブの使い方がわからず、なんとなくリバーブを使っている方も多いのではないでしょうか?

こちらの記事では今からすぐできるテクニックをご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください!

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アコギにリバーブを使うコツ1:リバーブにおける「感覚」を磨こう

ステレオスピーカーで自分の曲を聞いた時、横幅・縦幅・奥行きを感じる、いわゆる「3D」に聞こえる状態になっているのが理想的です。

「左右」で構成されるステレオは横幅(X軸)、周波数(音程)は高さ(Y軸)、そしてリバーブは奥行き(Z軸)をつくります。

これらの軸をめいっぱい活用することにより、ミックスを崩さず、曲に新たな要素を加えることができます。

より密度の高いミックスにするためには、新たな要素を加えるためにルーム(部屋)を作る方法を見つけることがゴールになることがあります。
一方で、クリエイティブなエフェクトを使うことで、まばらな状態をしっかり埋めていくことがゴールとなる場合もあります。

前者の「リバーブを使うことでルームを作っていくケース」では、より長いディケイタイムとWetなリバーブ(エフェクト音の割合が多い)を使うと、よりZ軸(奥行き)を遠くに感じられるようになります。

アコギにリバーブを使う例

たとえば、ダイナミックなフォークボーカルの後ろでやわらかいサウンドでアルペジオを弾いているナイロンギターの場合。

まずはボーカルよりも小さい音にし、長いディケイタイムに設定したリバーブのAUX(Send)に、かなりの量の音を送るとよいでしょう。

※これを実践した実際の音は、元記事の「Example1」で聞けます。

こうすると、リバーブの量が多いのでリバーブ音が全体に広がり奥行きを出すことはできますが、ギターの音自体はボーカルよりも小さいので、ボーカルを邪魔することなくミックスができます。

ミックスでは曲を「前・真ん中・後ろ」に分けるのがコツ

リバーブを使うときは、まず自分の曲を「前・真ん中・後ろ」の3つに分けてみましょう。

前に出したいものは前側に、ボーカルをサポートする楽器は中央付近に、PadやSweep系、エフェクト類は後ろ側に置くというイメージです。

どれぐらいの大きさの部屋で、どの楽器の音がどの位置から聞こえて欲しいのかを考えてみると、リバーブを使うときに適切なリバーブを選べるようになります。

コンプをかけると音がうしろ側に聞こえる理由

コンプレッサーをかけると、その楽器がより後ろにいるように聞かせることができます。

どうしてコンプレッサーをかけると、音が後ろに下がるように聞こえるのでしょうか?

まず、みなさんの耳元で誰かが手を叩いた場面を想像してみてください。

耳元で叩かれると、すごくうるさく「耳が痛くなる!」と感じるはずです。

しかし100mぐらい離れたところで誰かが手を叩いたとしたら、どうでしょう?

手を叩いた音はより静かになり、音の立ち上がり(トランジェント)を作る音の「エネルギー」は、あなたの耳に届くまでに減り、音が減衰する時間をより多く作ることになります。

音のPeakにコンプレッションをかける…つまりコンプレッサーのアタックタイムを早くしてコンプレッションをかけると、同じようなことが起こります。

アタックタイムを早くするとトランジェント(音の立ち上がり)が潰れるので、少し後ろにいるように聞こえるようになり、それが結果的に奥行き(後ろにいる感じ)を作るのです。

もし音を少し後ろに下げたいと思ったら、音量だけではなくコンプレッションで実現できないかどうかも考えてみましょう。

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リバーブでZ軸(奥行き)を出すのに最適な方法

リバーブでZ軸(奥行き)を作るのによい方法は「2つの異なるAUXを使う」です。

この2つには、それぞれ違うリバーブをセットしておきます。

ショートリバーブとロングリバーブを使い分ける

1つ目のAUXは「Short Reverb」とし、こちらにはディケイタイムを短くしたリバーブをセットしておきます。

そしてこのAUXを複製し、2個目のAUX「Long Reverb」という名前に変えておきます。

こちらはディケイタイムを長めにセットしておきます。

ショートリバーブは音を前に出す効果があるため、前に出したい音に対してSendで少しだけ音を送ります。
逆に後ろ側に置きたい音に対しては、ロングリバーブ+ピークを強めにコンプレッションするのがベストです。

ショートリバーブとロングリバーブを使い分けるべき理由

ショートリバーブとロングリバーブ、正反対の2つのリバーブを使うのが良い理由は、「空間を認識するときに混乱しなくなるから」です。

ディケイタイムだけが異なる2つのリバーブを使うと、よりまとまりのあるミックスになります。

ロングリバーブのプリディレイ(Pre Delay)を遅くすると、2つのリバーブをさらにはっきりと差別化できるようになります。

アコギにコンプを使うときのコツ

より後ろに音を送るためにコンプレッションする場合は、ピークをより抑えるために高めのRatioを使うとよいでしょう。

まずは4:1からスタートし、徐々に6:1、8:1、10:1と、必要なだけ強くしていくのがおすすめです。

音にパンチを加えるためにコンプを使うことが多いと思いますが、この場合におけるコンプレッションは、真逆の目的で使うことになります。


以上で「アコギにリバーブを使うときの1つ目のコツ」の解説は終了です。

2つ目のコツ(Part2)はコチラ↓

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