絶対に覚えておきたい「ジャズの基本コード進行3選」【初心者】
- 2024.08.25
- 2024.08.18
- コード進行
今回は、ジャズのスペシャリスト・Kevin Castroが解説する「ジャズの基本コード進行3つ」をまとめました。
ここでご紹介する3つのコード進行をマスターすれば、ジャズの定番曲(ジャズスタンダード)もスラスラ弾けるようになるだけでなく、即興演奏にも大きく役立ちます。
ピアノやギターを使ってこれからジャズを始めたい方、コード進行のバリエーションを増やしたい方にはとてもおすすめの内容ですので、ぜひ最後までご覧ください!
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ジャズの定番コード進行1:リズムチェンジ
1つ目の定番コード進行は「リズムチェンジ」で、このようなコード進行です↓
これはGeorge Gerswhin(ジョージ・ガーシュイン)の「I Got Rhythm」という楽曲から生まれたコード進行で、今でも多くのジャズに使われています。
リズムチェンジの弾き方
リズムチェンジのコード進行は、このようになっています。
Cmaj7 – Am7 – Dm7 – G7 – Em7 – A7 – Dm7 – G7
I – vi – ii – V – iii – VI – ii – V
(大文字はメジャーコード、小文字はマイナーコード)
はじめの4小節(Cmaj7 – Am7 – Dm7 – G7)の解説
次はコードを一つずつ解説します。
Cmaj7
右手:G,B,C,E
左手:C
Am7
右手:G,A,C,E
左手:A
Dm7
右手:F,A,C,D
左手:D
G7
右手:F,G,B,D
左手:G
※このG7をG9(右手がF,A,B,D)にして弾くと、よりジャズらしいサウンドになります
はじめの4つのコードをゆっくり弾いてみると、このようになります↓
おわりの4小節(Em7 – A7 – Dm7 – G7)の解説
次の4小節のコードは、このようになります。
Em7
右手:G,B,D,E
左手:E
※Cmaj7の時と手の形がかなり似ています
A7
右手:G,A,C#,E
左手:A
Dm7
右手:F,A,C,D
左手:D
G7
右手:F,G,B,D
左手:G
それでは、コード進行全体をゆっくり弾いてみましょう↓
A7は「セカンダリードミナント」
はじめの4小節では「Am7」が出てきましたが、おわりの4小節には「A7」が出てきました。
※A7 = A,C#,E
今回はCメジャーキーのコード進行ですが、Cメジャーキーのダイアトニックコード(Cメジャーキーに出てくる音を使った和音)には、A7はありません。
※CメジャーキーにC#の音は入っていない
このコード進行中のA7は「セカンダリードミナント」と呼ばれ、曲を一味違うサウンドに仕上げるテクニックの一つです。
セカンダリードミナントについては、こちらの記事で解説していますので、ぜひこちらもマスターしてください↓
ジャズのリズムをつけて弾いてみよう
コードを一つ一つマスターしたら、次はリズムをつけて弾いてみましょう。
リズムをつけて弾くと、より一層ジャズらしくなります↓
このようにオフビートに乗せて弾くことは、ジャズではよく使われる伴奏のパターンです。
ジャズの定番コード進行2:半音下行マイナーコード
2つ目の定番コード進行は「半音下行マイナーコード」で、このようなコード進行です↓
とてもキレイに聞こえるコード進行ですが、その秘密は「半音ずつ下がるベース」にあります。
ベース(左手)だけ弾いてみると、このようになります↓
次は、コード進行全体を見てみましょう。
マイナーコード+9thの音を用いたコードがたくさん使われています。
右手:G,B,D,F#
左手:E
Ebm9
右手:Gb,Bb,Db,F
左手:Eb
Dm9
右手:F,A,C,E
左手:D
Db13
右手:F,Bb,B,Eb
左手:Db
Cmaj9
右手:E,G,B,D
左手:C
難しそうに見えて実はシンプルなコード進行
「マイナーコードがたくさん」「9thコードが使われている」と聞くと、なんだか難しそうに見えるかもしれません。
実際に、フラットがたくさん並んだ楽譜を見ると難しそうに見えますよね。
しかし、実はこのコード進行はそこまで難しいものではなく、むしろとてもシンプルです。
Em9からDm9までは、すべての音を半音ずつ下げるだけです!
はじめのEm9(左手はE、右手は下からG,B,D,F#)に指を置いたら、あとはすべての指を半音ずつ下に下げていきます。
※Db13のときだけ例外のため、こちらに注意してください
ゆっくり弾いてみると、このようになります↓
「トライトーンサブスティテューション」で味を出す
この動画では、Db(13)を「ドミナント13thコード」と解説しています。
このコード進行においてDb(13)は「トライトーンサブスティテューション(Tritone Substitution)」で、通常のドミナントコード(V)の代わりに使われることがあります。
※Cメジャーキーなら、G7→Cmaj7がDb7→Cmaj7という進行に変わるなど
サブスティチューション:代理、代替
通常のドミナントコードとトライトーンサブスティチューションのコードでは、2つの音が共通しており、その2音がトライトーンです。
通常のドミナントコード「G7」
G,B,D,F
トライトーンサブスティチューション「Db7」
Db,F,Ab,B
※BとFが共通しており、これらはトライトーンの関係
そのため、通常のドミナントコードの代わりにトライトーンサブスティチューションを用いたコードを使うことがあります。
この動画では、このトライトーンサブスティチューション(Db7)を13thコードにして使っています。
BbとBが同時に鳴っており、これらは半音違いの音なので通常は「不協和音」とされます。
しかし、ここでは逆におしゃれなサウンドを作るポイントになっているので、アクセントとしてこのようなコードを使ってみるのもよいでしょう。
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ジャズの定番コード進行3:2-5-1進行
3つ目の定番コード進行は「2-5-1進行」で、このようなコード進行です↓
ほとんどのジャズ曲はこのコード進行を使っているため、ジャズにおいては最も重要なコード進行の1つと言えるでしょう。
つまり、このコード進行さえ弾けるようになれば、ほぼ全てのジャズ曲を演奏できるようになるということになります。
Cメジャーキーの2-5-1進行を弾いてみよう
まずは、Cメジャーキーの「2-5-1進行」を弾いてみましょう。
Dm7
右手:D,F,A,C
左手:D,C
G7
右手:D,E,G,B
左手:G,B
Cmaj7
右手:C,E,G,B
左手:C,B
コードは「Dm7」「G7」「C7」の3つしか使いません。
※ディグリーネームだと「ii – V – I」
転回形を使って指の動きを減らそう
コードを弾くときのポイントは、転回形を使って指の動きを最小限に抑えることです。
例えばDm7からG7に移動するとき、DとFはどちらのコードにも共通している音なので、この音を弾いている指を動かしません。
残りの2本の指を少しだけ動かすだけで、コードを変えることができます。
Dm7のときの右手
G7のときの右手(中指と小指だけを動かす)
この「指の動きを最小限に抑える」を覚えれば、どのキーで弾くときも、楽に演奏することができるようになります。
左手は「1と7」か「1と3」
このコード進行において、左手はコードトーンの「1と7」か「1と3」を弾きます。
例えば、 Cメジャーキーの「Dm7 – G7 – Cmaj7」を見てみましょう。
Dm7のとき、左手は「DとC」です。
Dm7(D,F,A,C)のコードの1番目と7番目の音を弾いています。
G7(G,B,D,F)のときはコードの1番目と3番目の音であるGとBを弾いています。
最後のCmaj7(C,E,G,B)のときは、Dm7の時と同様に1番目と7番目の音であるCとBを弾いています。
左手だけ弾くと、このようになります↓
すべてのキーで2-5-1を弾けるようになろう
「2-5-1」はジャズの超定番進行のため、すべてのキーで弾けるようにしておくのがベストです。
ここからは、各キーの2-5-1をご紹介しますので、ぜひ1つずつ確認しながら練習してみてください。
Bbメジャーキーの2-5-1進行を弾いてみよう
次はBbメジャーキーの「2-5-1進行」を弾いてみましょう。
Cm7
右手:C,Eb,G,Bb
左手:C,Bb
F7
右手:C,E,F,A
左手:F,A
Bb maj7
右手:Bb,D,F,A
左手:Bb,A
実際に弾いてみると、このようになります↓
Abメジャーキーの2-5-1進行を弾いてみよう
次はAbメジャーキーの「2-5-1進行」を弾いてみましょう。
Bbm7
右手:Bb,Db,F,Ab
左手:Bb,Ab
Eb7
右手:Bb,Db,Eb,G
左手:Eb,G
Ab maj7
右手:Ab,C,Eb,G
左手:Ab,G
実際に弾いてみると、このようになります↓
Gbメジャーキーの2-5-1進行を弾いてみよう
次はGbメジャーキーの「2-5-1進行」を弾いてみましょう。
Abm7
右手:Ab,C,Eb,Gb
左手:Ab,Gb
Db7
右手:Ab,Bb,Db,F
左手:Db,F
Gb maj7
右手:Gb,Bb,Db,F
左手:Ab,F
実際に弾いてみると、このようになります↓
Eメジャーキーの2-5-1進行を弾いてみよう
次はEメジャーキーの「2-5-1進行」を弾いてみましょう。
(Eメジャーキーで)
右手:F#,A,C#,E
左手:F#,E
B7
右手:F#,A,B,D#
左手:B,D#
Emaj7
右手:Eb,G#,B,D#
左手:E,D#
実際に弾いてみると、このようになります↓
Dメジャーキーの2-5-1進行を弾いてみよう
次はDメジャーキーの「2-5-1進行」を弾いてみましょう。
Em7
右手:E,G,B,D
左手:E,D
A7
右手:E,G,A,C#
左手:A,C#
Emaj7
右手:D,F#,A,C#
左手:E,C#
実際に弾いてみると、このようになります↓
すべてのキーで2-5-1を弾く練習
それでは、すべてのキーで2-5-1をつなげて弾く練習をしてみましょう。
ジャズピアノのウォームアップとしてとても良い練習になりますので、ぜひマスターしてください。
ちなみに、下の画像のように「Cメジャーキーの2-5-1-を弾いた後、Bbメジャーキーの2-5-1を弾く」というときは、両者のつなぎ目でポイントがあります。
Cmaj7からCm7に移るとき、左手は「C+B」から「C+Bb」に変わります。
つまり、左手は音が1つ変わるだけです。
これを意識すると、つなげて弾くときにとても楽になりますので、ぜひお試しください。
絶対に覚えておきたい「ジャズの基本コード進行3選」まとめ
今回は、ジャズをやるなら絶対に覚えておきたい基本のコード進行を3つご紹介しました。
2.半音下行マイナーコード
3.2-5-1進行
これらをマスターすれば、どんなジャズの曲もすぐにマスターできるようになりますので、ぜひお試しください。
なお、当サイトでは他にもジャズや即興の練習、かっこいいコード進行に関する記事を多数紹介しています。
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